エリー・フォール映画論集1920‐1937 須藤 健太郎・編訳
Kentaro SUDO(eds.)
美術史と映画批評の交錯
ゴダール『気狂いピエロ』でベルモンドによって朗読された著書『美術史』で名高いフォールが、エイゼンシュテイン、ガンス、ヴィゴらの〈映画造形〉の可能性を追究した伝説の映画論。待望の翻訳。
判型 | |四六並製(188mm×130mm・厚さ26mm) |
ページ | |276 |
刷色 | |モノクロ |
言語 | |日本語 |
デザイン | |須山 悠里 |
発行 | |ソリレス書店 |
発行日 | |2018年2月25日 |
価格 | |2,800円(税抜本体) |
ISBN | |978-4-908435-09-6 |
Cコード | |C0074 |
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目次
I. 映画の発見
映画造形<シネプラスティック>について
II. 芸術・文化・文明
機械主義の美学
ティントレットの予感
映画神秘主義序説
映画の知的役割
III. 映画作家のかたわらで
シャルロ礼賛
アベル・ガンス『ナポレオン』のプレミア上映に寄せて
三面スクリーンの発見
アベル・ガンスの著書『プリズム』に寄せて
S・M・エイゼンシュテインと未来の映画
戦争映画と平和主義
生粋の映画作家——『アタラント号』の作者ジャン・ヴィゴ
イタリアの映画小屋
IV. 講演録から
写真展《社会生活のドキュメント》
スペイン内戦に関する記録映画
映画は普遍言語である
シネプラスティックとその彼方——訳者後記にかえて
人名・映画作品名索引
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須藤 健太郎|すどう・けんたろう
1980年生まれ。東京都立大学人文社会学部人文学科フランス語圏文化論教室 助教。
パリ第三大学大学院博士課程修了。博士(映画学)。
著書に『評伝ジャン・ユスターシュ』(共和国、2019)、『Jean Eustache. Génétique et fabrique』(Classiques Garnier,2022)、訳書にニコル・ブルネーズ『映画の前衛とは何か』(現代思潮新社、2012)、ロラン・バルト『恋愛のディスクール——セミナーと未刊テクスト』(共訳、水声社、2021)など。
その他、監修としてカイエ・デュ・シネマ編集部編『作家主義[新装改訂版]』(奥村昭夫訳、フィルムアート社、2022)。
エリー・フォール|Elie Faure
1873‐1937。フランスの評論家・美術史家。
南西部サント=フォワ=ラ=グランドに生まれる。高校進学にともないパリに上京し、アンリ4世高校に通う。ルーヴル美術館を足繁く訪れ、教師アンリ・ベルクソンの薫陶を受けた高校時代は、その後の人生を決定づけた。
医学の道に進み、1899年に医学博士号を取得するも、1902年ごろより並行して美術批評の執筆を始める。
1903年から1908年まで民衆大学“ラ・フラテルネル”で美術史を講じ、1909年、『美術史』第1巻となる『古代美術』を刊行。その後『中世美術』『ルネサンス美術』『近代美術』と続き、全4巻を数える。